脳卒中とは
脳卒中とは血管が詰まる脳梗塞と、血管が裂けてしまう脳出血やくも膜下出血とがあります。一度、脳梗塞や脳出血を起こしてしまうと命に関わる危険性もあります。
また、一命は取り留めたものの、麻痺が残ってしまったり、寝たきりになってしまったりする方もいらっしゃいます。
生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病)を予防することで、脳卒中の予防は可能です。生活習慣病の方は、生活習慣病の改善を目指すとともに、定期的な検査をお勧めしています。
脳卒中の前兆
以下の症状がある場合は自己判断せずに、まずは受診してください。
- 視野がぼんやりとする、突然見えにくくなった。
- 片方の目だけが見えにくい、又は見えない。
- 言葉が出にくい、ろれつが回らない、思っていることをうまく話せない。
- まっすぐに立つことが出来ない。
- 身体に力が入らず、ふらふらする。
- 身体のどちらかだけがしびれたり、感覚が麻痺したりしている。
脳卒中の後遺症
- 一般的に脳が受けたダメージが大きければ大きいほど、その後に残る後遺症は大きくなります。その為にも脳卒中の予防と早期発見・早期治療が大切になってきます。
- 主に以下のような症状が現れます。
- 意識障害…場合によっては意識が回復しないこともあります。
- 視覚障害…目が見えなくなったり、視野が狭くなったりすることがあります。
- 言語障害…言葉が発しにくくなったり、思っていることをうまく話せなくなったりすることがあります。
- 運動感覚の麻痺…片側にしびれが残ったり、歩行に障害が出たり、手がうまく使えなくなったりします。
- 激しい頭痛、嘔吐。
脳卒中のタイプ
血管が詰まるタイプの脳卒中を脳梗塞と言います。脳梗塞は大きくわけて3つのタイプに分類されます。
- ラクナ梗塞
- 脳梗塞の半数を占め、日本人では一番多いタイプの脳梗塞です。血圧の高い状態が続くと脳の細い動脈に負担がかかり、その箇所が徐々に詰まっていき小さな梗塞が出来ます。小さな梗塞の為に症状が出にくいことも多く、隠れ脳梗塞と呼ばれたりもします。症状がゆっくり進行する為に、手足のしびれや話しにくいという症状で気づくこともあります。
- アテローム血栓性梗塞
- 動脈硬化が原因となって起こる脳梗塞です。主に脳の太い動脈が詰まって発症します。
元々は欧米人に多いタイプの脳梗塞でしたが、近年日本でも高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が増え、発症数が増えています。
- 心原性脳梗塞
- 心臓あるいは頸動脈に出来た血栓が突然、脳のほうに運ばれてきて脳の血管を詰まらせてしまう梗塞です。原因としては心房細動などの不整脈や心筋梗塞などがあげられています。突然発作が起こりやすく、症状が強い為、命に関わることもある梗塞です。
血管が裂けて出血を起こす脳卒中を脳出血・くも膜下出血と言います。
- 脳出血
- 脳の血管が動脈硬化を起こし、さらに高血圧が続くと血管が耐えられなくなり、破裂して出血を起こします。出血した血は塊になります。これらが脳内を圧迫する為、出血した部位や圧迫している箇所によって様々な症状を引き起こすことになります。
- くも膜下出血
- 脳の中にあるくも膜という膜の下に脳に血液を送る血管が走っています。この血管に動脈硬化や動脈瘤と呼ばれるコブがあると、血圧が高くなった時に急に破れてしまうことがあります。これがくも膜下出血です。
くも膜下出血は高血圧の人に多くみられ、命にも関わる危険な出血です。
何の前触れもなく、突然猛烈な頭痛、吐き気、嘔吐などを症状が起きた際には、速やかに受診してください。
脳卒中の予防について

脳卒中は予防できる病気です。
脳卒中は動脈硬化が引き起こす病気です。高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を予防することが、動脈硬化を起こりにくくします。健康診断の結果を放置せず、早めの治療が肝心になります。当院では脳卒中の予防に力を入れています。一度健康診断の結果を持ってご相談に来てください。